はデスクで頬杖をついていた。 時計はもう日付を跨ぎ昨日は終わっている。 とても嬉しくない事にこのビルは休みが無い。 常にどこかに誰かがいる。 任務終了の連絡をレノから受け事後処理の為レノの帰りをただ待つ。 新人の仕事。 先輩のサポート。 連絡から既に四時間は経っている。 何度と無くこちらから連絡したものの一向に繋がらない。 体力も眠気も苛立ちも空腹も、色んな要素が決壊ギリギリ。 仮眠室で寝ようと思うがレノの戻りをここで待つ、という立派な仕事がある。 せめて待つ相手がルードなら! 何度そう思い巡らしただろう。 律儀にもはデスクに突っ伏す事も無く、椅子の上で頭を揺らし出した。 「しまったまずったぞ、と」 今から戻ると連絡した後に美味そうな匂いに誘われてついやってしまった。 任務の後はシラフにも関わらず気分が高揚する事が多い。 それを持続させたくてアルコールの誘惑に負けてしまった。 香水でも血の匂いでも誤魔化せない匂いを纏いながらもココに戻る辺り我ながら凄い。 が、もっと凄いのがいる。 「・・・・やっぱり」 ドアを開けてもはレノに気付かない。 入社してまだ数ヶ月。 現場任務には程遠い雑務の激務をこなしている日々での手に余る待ち時間。 仕事と言っても任務で奪還した品物をに渡してレノはそれで終わり。 後はそれをが書類等と合わせてツォンに提出。 「おい、起きろ」 ペチペチと頬を指で弾くが瞼は開かない。 仕方なくレノは品物をのデスクに置きこの数時間内で一番気を使っての身体を抱きかかえソファーに移動した。 寝かせ終わると自分もソファーに座り、に膝枕をしてやる。 「タークスとしては失格だぞ、と」 ここまでされて起きないなんて、殺してくれと言ってるのと同じ。 レノは上着をにかけ、ソファーにもたれて天井を眺める。 そしてそのまま目を閉じた。
09-06.2007 |