ある日何の前振りも無くその男は帰って来た。 ベランダを何度も叩かれは不審者と思い刀片手にカーテンを開ければニヤついた懐かしい顔。 「・・・・さ、坂本さん!」 「よぉ、久しぶりじゃの」 外は雪が降り出してもおかしくない寒さなのに相変わらず薄着の坂本をは室内へと招きいれた。 「うぃー。寒いのぉ」 「そんな格好じゃ当然ですよ」 「江戸は久しぶりじゃき、季節なんぞ考えとりゃせんかったわ」 「とりあえず何か温かい物用意しますから待っててください」 「構わんぜよ。両親もう寝とるやろうしバタバタしちょったら可哀相じゃ」 と言いつつも坂本はの布団を被って床に座った。 「ちょおこっち来いで」 坂本が布団を少し捲ったのではそのスペースに座る。 「あの星、綺麗じゃろ」 ベランダのガラス越しの星を坂本が指差した。 「そうですね。なんて言う星なんですか?」 「さぁ、知らん」 が呆れるより先に坂本はの肩を取りまた星を指差す。 「気になるじゃろ?ならワシと一緒に行こうぜよ」 普通なら、こんな夜中に突然押しかけてこんな事を言う男を頭がおかしいイカレ野郎だと思うだろうが相手が坂本だとそんな考えが微塵も浮かび出てこない。 「私が行ってもいいんですか?」 「あぁ、もちろんじゃ。誰にも文句は言わせへん」 「親に怒られますよ?」 「親なら娘の幸せを願うモンじゃろ」 「私が幸せかどうかわからなかったら意味無いですけど」 「そんなもん幸せに決まっとる」 そして坂本は今度はを抱き寄せてキスをした。
06-06.2007 |