「お、俺コレめっちゃ好きやねん」


シゲと外に出るとすぐこれだ。

足を止めて好きな物を眺める。

辛うじて手を繋いでいるので立ち止まった事が分かるが繋いでいないと忽然と消えてしまう。


「もー今度は何?」

「この漫画おもろいで」

新刊が積まれている中一冊の漫画を手に取ってレジへと向かったのでは一旦手を離す。

シゲが戻る間も新刊のラインナップを確認がてらコーナーを回る。

も買うんか?」

肩に顎を乗せてシゲはが読んでいた漫画を覗き込む。

「んー、買わない」

「ほな行こか」

そしてまた手を繋ぐ。

真面目にサッカーに戻ってからシゲの腕は日に焼けた。

こうして並ぶとよく分かる。

「あんなに白かったのにいい感じに焦げたね」

指摘されシゲは自分の腕との腕を見比べる。

「まぁな」

「ホントにサッカー好きなんだ」

あまりに嬉しそうに答えるシゲが嬉しくてついの顔も緩む。

「いつも言うてるやろ?好きやって」

「そうだね」

「でもの方がもっと好きやで」




いつも言うてるやろ?好きやって







20-06.2007