煙管の煙が立ち昇る。 まるで高杉の魂を連れて行くように黙々とただ昇る。 「いつまでいるの?」 珍しく事が終わっても帰ろうとせず窓枠に座り煙管を吸う。 初めてだった。 「晋助?」 は起き上がり高杉の足元に座りその顔を眺める。 どこを見ているのか掴めない視線を追えば外は雨。 空いている手に触れれば冷たい。 「言葉にしてくれなきゃ分かんない」 頭を高杉の身体に持たれかけては目を閉じる。 高杉がまた煙管を吸う呼吸音が聞こえ、吐き出された。 雨音が五月蝿い。 (晋助の声が聞こえないじゃないのよ) 二人はしばらくそのまま動く事はなかった。
07-07.2007 |