悪戯するのは構って欲しいから。 仕掛けてる間の事を考えて、が驚くのが楽しみで、真っ赤になって怒るが見たくて何度も何度も悪戯を仕掛ける。 「が馨の意地悪は光よりも性質が悪いだって」 光の何気ないチクりに馨は平然を装って「へー、そうかな」と返す。 内心では(性質が悪いって、どこが?)と自問自答中。 結局答えが出ないまま、また馨はに悪戯を繰り返す。そんな日々。 「、話があるんだけど」 ホスト部に行く前にを呼び出して渡り廊下を歩く。 「馨?」 他愛も無い会話の途中で馨が足を止めればも止まり。 「僕、が好きだよ」 真面目な表情でそう告げればも何か言いたげな表情に変わる。 けれど馨はを待たずに意地悪く微笑んだ。 「なーんて、ね」 「・・・・え」 「ってホント面白いぐらいに引っかかるよね」 いつもならここでは「もー、また悪戯?」と怒る。 馨はただそれを待つが一向にそんな気配は無く。 「?」 「大ッ嫌い。馨なんて大っ嫌い!」 思いきり馨は頬を打たれた。 去り行くを追う、と言う考えすら湧き出てこずただ呆然と。 ようやく事の重大さに気付いてを追いその腕を掴む。 「ごめん!そんなつもりじゃなかったんだよ」 「離して!馨なんてもう知らない、最低!」 なんて馬鹿なんだろう。 やっと性質が悪い、と言っていた意味がわかった。 「ホントにごめん。一からやり直すからちゃんと聞いて」 さっき好きだと告げたあのをもう一度取り戻したくて。 「嘘じゃない。本気で好きだよ」 傷付けないと気付かない僕でごめんね。
25-06.2007 |