寝苦しくて目を覚ませば市丸隊長が上に乗っていた。

重いはずだ。

そしてその手は私の首に置かれてありゆっくり絞められている。

苦しいはずだ。


「あ、やっと起きた。ちょっと気ィ抜き過ぎやない?気付くん遅いわ」

「なにしてるんですか一体」

「うーん、絞殺ごっこ?」

そう言ってまた首が絞まる。

けれど会話は出来る程度で止められている。


「隊長」

「ん?」

「私は隊長の事嫌いですから安心してください」

「そんなん言わんでも知ってるよ。ただ僕の指がイカれるんとの首が折れるんとどっちが早いか気になっただけやん」

そう言ってまた首が絞まる。

気のせいだろうか。

とても楽しそうに見える。


「隊長」

「今度はなに?」

「私が死ぬ時は隊長に殺される時だけです」

「ホンマ、ええ子やねは」

ギンはそのまま額にキスをする。


「今までありがとうな」

目を閉じればそれが最後。


ギンは一気に指に力を込めた。

ごめんなさい。
貴方を愛する事が、
出来ませんでした。








19-06.2006