「・・・・んー」 目も開けず、はサイドテーブルに勢いよく手を叩き付けた。 真っ白い枕に顔を埋めたままパタパタと先程から鳴り続けている携帯を探す。 ようやくお目当ての物を見つけると名前も確認せずに耳に当てた。 「隣で寝てるボンボンに代われ」 いつになく真剣なその声にはようやく身体を起した。 「レノから電話」 無造作に散らばっている前髪ごと額を電話で叩いて起せば見事なまでの不機嫌面。 「休暇中だ」 「知ってる。だからこっちにかかってきたんでしょ?自分で処理して」 ボト、と携帯をベッドに落としてはシャワーを浴びに部屋を出た。 レノ自身、休暇中に仕事をしない主義なのは知っている。 そんなレノが電話をかけてきたのだ。 事態の規模はどのぐらいだろうか。 今の段階でそんな事を考えているのはまだ寝惚けている証拠なのではシャワーの温度を上げた。 「支度が早いな」 黒のスーツを身に纏い、はルーファウスの前に立つ。 「休暇が無くなった以上、通常任務に就くのが当然かと」 対してルーファウスは未だベッドの上。 「私の勤務時間はもうとうに過ぎております。社長もご用意を」 「、次からは携帯を切っておけ」 「ご冗談を」
20-03.2007 |