「こんなハズじゃなかったんだけど・・・・」 パーシヴァルの好みは女性らしい人。 戦場に赴くなどもっての他。 は血だらけの自分の腕を見て溜息を吐く。 乗馬している振動で痛みが増すが正直それ所ではない。 「あの、本当に大丈夫?」 隣で同じ様に乗馬しているアップルが心配そうにに声をかける。 俯いていたので具合が悪いと思ったようだ。 「ごめんなさいね、私のせいで」 「違いますよ!モンスターが悪いんですから!それにアップルさん一人で行かせて怪我したりした方があたしヤですもん!」 そう。 二人は私用で町に出ていた。 それは元々アップル一人で行く予定だったが手の空いていたが護衛も兼ねてついて来た。 本来ならばもっと戦える人がつけば良いのだが生憎総出で出払っている。 も決して弱い方ではない。 ただ恋人であるパーシヴァルに「もう絶対に剣を振るうな」と約束させられていたが事情が事情なのでそれを破ったのだ。 「怪我したのはあたしのミスなんですし」 行きはよかったが帰りがよくなかった。 突然現れたモンスターに戦場から退いていたせいか反応が後れアップルを庇い負傷。 と言っても怪我していても倒せる辺りは無事な方だ。 「でも、パーシヴァルさん心配するんじゃない?」 「それは、そうですね・・・・」 案の定既に帰城していたパーシヴァルはを見て固まった。 アップルが事情を説明し流石に怒られはしなかったものの珍しく取り乱し仲間に「過保護だなぁ」と笑われていた。 「その、ごめんね」 治療はトウタにしてもらったが包帯は随分と慣れた手つきでパーシヴァルが巻いている。 その手つきには少し悲しくなる。 今まで何度こうしていたのだろう、と。 「まぁ、アップルさんを一人で行かせてたら怒ってましたけどね」 「でしょ!やっぱりパーシヴァルはわかってくれると思ってた」 「だからと言って無茶を許した訳じゃないぞ」 パーシヴァルは二人の時になると口調が崩れる。 それに気付いた時嬉しかったのを昨日のように思い出した。 「心配かけてごめんなさい」 「それは俺の台詞だよ。いつもがこんな思いをしてたなんてな」 作業が終わりパーシヴァルはの手を優しく握る。 「待たせてばかりですまないな」 きっとあたしは彼の理想の人ではない。 なのにこうして扱ってくれている。 「待てる人がいるだけ幸せだから大丈夫」 その言葉にパーシヴァルは目を伏せて微笑んだ。
24-06.2006 |