「・・・・かくれんぼ、ですか」 「嫌ならいいですよ」 パーシヴァルは正直気乗りはしない。 今日は私服の軽装で、今は本を片手に木陰でゆっくりしていた。 「私と貴女の他には誰が居るんですか?」 その問には人だかりを指差す。 結構な人数がそこにはいた。 「折角ですが、遠慮します」 「わかった。みんなー、パーシヴァル様は自信無いから参加しないってー!」 無駄に大声では後ろの人だかりに手を振る。 パーシヴァルは慌ててその手を立ち上がって掴んだ。 「是非参加します」 「じゃあパーシヴァル様が鬼ね」 その額に青筋が浮かんだのをは確認しニヤリと笑った。 (・・・・クソっ、ハメられた) そう、このかくれんぼの言いだしっぺはだった。 以前パーシヴァルに馬鹿にされたのをずっと根に持っており絶対仕返ししてやろう、と心に決めていたのだ。 そして今日、実行した。 なるべく自分より年下の仲間に声をかけ作戦を練る。 隠れる範囲は城全体。 皆で協力して姿を隠し、最後はが隠れる。 が隠れたのはパーシヴァルの自室。 スタートしてから五分後、パーシヴァルは非常に面倒臭そうに探索を始めた。 が、それも十分と持たず終わった。 最初はの発言にカチン、ときて参加する、とは言ったがいざ探し出し冷静になるととても馬鹿らしくなった。 パーシヴァルは誰一人として見つける事無く自室へと戻った。 「・・・・全く」 ベッドの上で眠るを見て鼻で笑う。 (子供相手ならどうせその内飽きて勝手に出てくるだろう) を起こさないようにパーシヴァルはベッドに腰掛けその髪を撫でる。 「まだ、早いんだろうな」 その事実が嬉しいのか悲しいのか。 パーシヴァルの顔は緩んだ。
07-09.2006 |