「あー、また外れた」


コンビニで七百円以上買うと引けるクジ。

がボックスから引き出したのは応募券。


つまりスカである。


「なに、なんか狙ってんの?」

「これ」

クジを持った指が差したのは特大のぬいぐるみ。

カウンターの棚を見ればデカデカとその存在を示す如く置かれてある。

「あんなの当たったって邪魔じゃね?」

清算を終えビニル袋を受け取り万里とはコンビニを出た。

袋の中身はぎっしりお菓子とジュース。

「でも七百円で当たったら安いじゃん」

「さっき「また外れた」って言ってたけど。何回試したから」

「・・・・さっきので四回目」

「げぇ!だから最近ん家お菓子が多いんだな」

「お菓子以外も買ってるもん・・・・」

「例えば?」

「・・・・ノートとか、シャー芯とか雑誌とか、アイスとか」

「あぁ。それで最近ちょっとプニプニしてるんだんな」

万里は空いている手での頬を押す。

「そんな事無いもん!触るなセクハラ!」

は頬を押さえながら万里から一歩離れたが万里はそれを許さずの手を掴む。

「そんな離れて歩いて迷子になったら大変でしょ」

「残念でした。なりません」

「事故ったらどうするの」

「車があたしを避けて通るの知らないの?」

「ハイハイ。もういいから黙って歩く」


翌日、インターホンが鳴ったので応対すると「万里くんです」と答えたので玄関のドアを開けた。

「ハイ、これあげる」

と万里の顔が見えないままぬいぐるみを押し付けられた。


「・・・・万里、当たったの!?」


「まさか、ゲーセン行って取って来た」



最初からそうすりゃよかった。







20-08.2006