「あーらた!」 「イデ!」 呼びかけに反応するより早く背中を思い切り叩かれて新は立ち止まる。 「なんだよいきなり・・・・っ!」 半ギレで振り返ればグラサン姿の。 「・・・・っ!」 「おっきくなったな」 高校の前の店で待ち伏せして出て来た新の背中をは思い切り叩いた。 新の記憶の中のと寸分変わらぬ姿で。 日本では目立つ金髪は実兄にそっくり。 顔も母親譲り。 身長も平均よりずっと高い。 「ただいま、新」 「ホントびっくりしたぜ」 「先に店に行ったら徹さんに新学校だって言われてさ。そうかー、もう高校かぁ」 「あ、兄ちゃんにはもう会ったんだ」 「あと水嶋くんとかにも挨拶した。真紀にはまだ会ってないけど」 「え、なんで!?普通真紀くんから会うんじゃねぇの?」 「あたしアンタと違って兄貴ラブとかじゃないし。別に」 ふと横を見ればの金髪がよく見える。 昔は見上げていた。 会わなくなったのはが海外に行ったからで。 「新?」 は立ち止まった新に対して振り返る。 「あの、さ」 ずっと昔に決めた事がある。 それこそ本当にずっと昔。 「なに、改まって」 「・・・・あー、いや、やっぱなんでもねぇ」 「なにそれ」 「それより、なんで高校まで来たんだよ。家に居ればいいのに」 「そりゃあ、ちょっとでも早く新に会いたかったからねぇ。昔はこーんなちっさかったのに」 十センチ程の幅をは手で表す。 「腹ん中じゃん、そのサイズ」 「今じゃ徹さんより高くなったんじゃない?」 「あー、同じぐらい」 「ホント、男の子はちょっと会わないと怖いぐらいデカくなるな」 「その内だって抜いてやる」 「それはそれは、楽しみデス」 「あー、信じてないだろ。男の成長期なめんなよ」 「で、何の話だったのさ?」 再びの横に並んだ新はもう一度を見る。 「追い越したら言うからちょっと待ってろ」
06-08.2006 |