「なぁ」 超低速で走っている原付。 「おーい」 少し早目に歩くを追いかける。 「・・・・人違いじゃ御座いませんか?」 「なにそれ、いじめ?」 「しつこい、って言ってるの」 は諦めて歩くのを止めた。 「よし、ウチまで送ってやろう。ほら乗りなさい」 「乗りません」 「人の好意は無駄にするなと教えられなかったのか?」 銀時はハンドルに肘をつきを見上げる。 「こんなに銀さんが好きだっつってんのによォ」 「冗談は髪だけにしてくださいよ」 「じゃあナニか。ストレートヘアーの銀さんの言葉なら信じられるんだな」 「もっと無理」 「我侭な女だなァ。ちっとは妥協しろよオィ」 その言葉が終わるとはまた歩き出した。 「ウソウソウソウソ!いやもうホントに好きだから」 銀時は慌てての腕を掴む。 「原付忘れてますよ天パ」 「男は優先すべき事柄の為なら原付も捨てれるんです」 「違反キップ切られますよ天パ」 「・・・・天パ天パってそんなに銀さんが好きなのかコノヤロー」 は非常に面倒臭そうにまた立ち止まった。 「銀さんの好きって、ドキドキしないから何回言われてもなんとも思わないんですけど」 その言葉に銀時は手を離し頭をボリボリと掻いた。 「あー、なんだ」 「なんですか?」 問い返すの顔に銀時は急接近をする。 「・・・・チューされると思った?」 それはあっと言う間の出来事で、銀時は顔を避けの耳元でニヤリと笑った。 「続きして欲しかったら万屋にいっからよ」 少し離れた原付に戻り、銀時はを追い抜く。 ふわりと残る、あまい香り。 は真っ赤になって銀時の感覚が残る耳を押さえた。 あぁ、もう駄目だ。
18-06.2006 |