玄関は開けっ放し。

いくら金目の物が何も無いと言ってもコレは酷い、とは思い玄関に入って扉を閉めた。

そのまま上がればソファーではなく地面に転がっている銀時。

「・・・・おぅ」

起き上がる事すらせずに目ざとくを確認し弱々しい声を出す。

「なにしてるの」

「暑いんで。尋常じゃなく暑いんで。ついでに貧乏なんで」

「知ってるけど」

「知ってっか。床って冷てぇんだよ」

裸じゃないだけマシか、と思いは冷蔵庫を開ける。

「空っぽだぞー」

言われる前から予想していたが、それは的中する。

「氷ぐらいはあるでしょ?」

「生産と消費に計算ミスがあってなぁ」

「・・・・無いんだ」



結局は銀時を転がしたまま下のお登勢に頭を下げ氷を譲り受けた。

きっかけは、そう。

景品に当たったのだ。


「かき氷だぁ?」


がゴソゴソしている間は転がっていたがゴリゴリし出すと流石に銀時も起き上がった。

テーブルの上でが氷を専用の器具で削っている。

「そう。商店街の福引で当たったんだけど、かき氷嫌い?」

「銀さんパフェが好きなんですけど」

「ほらほら、シロップもちゃんと付いてるの」

物凄い鮮やかな赤いシロップ。

「シロップってのはなぁ、色が違うだけで味は全部同じなんだよ」

「じゃあマヨネーズでもかける?」

「なに、押し倒されたいんですか?」

「それか、やっぱりマヨネーズ?意外と美味しいかもよ」

そんな会話をしている内に器には氷の山が出来上がったのではそれを銀時に差し出し今度は自分の分を削り始めた。

「あ、生クリームかけたらパフェ味になるよ」

「なるかァァァ!」

「・・・・そんなに叫んで暑くないの?」

「この暑さで脳みそおかしくなってねぇ?お前もっとマトモな女だっただろうが。大丈夫かコノヤロー」

銀時がドハドバと赤いシロップをかけると山が崩れ出す。

「やっぱりかき氷は夏の風物詩だね」

一口食べた銀時をは嬉しそうに見た。



「・・・・もう夏かー」


そうみたいですよ皆さん








20-06.2006