少し曇った二限目の屋上。

は引き締まった忍足の腕の上に頭を乗せて忍足の方を向き転がっている。

忍足は仰向けで転がり、肘を曲げての髪を意味も無くクルクルと遊ぶ。


「微妙な天気ねー」

「そやなぁ」

「午後から晴れるみたいだけど」

「そやなぁ」

「昨日跡部に負けたんだってね」

「そやなぁ」

「しかも彼女とも喧嘩したんだってね」

「そやなぁ」

「そんな対応ばっかりするから彼女に怒られるんだよ」

「そやなぁ」

は勢いよく起き上がり忍足のお腹の上に乗る。

「なんや、むっちゃエロいで、この体勢」

「あたしには発情しないんじゃなかったっけ?」

「そんなん言いました?」

「・・・・あたしも一昨日あのお方の浮気が原因でまた喧嘩しました」

「えー。ほんなら昨日の試合はウサ晴らしやったんやん。もー俺めっちゃ可哀相やん」

「お詫びにチューしてあげるよ、忍足くん」

「あかんって。そんなんされたら抑えられへんやん」

「する前に手突っ込んでるヤツの言う台詞じゃないよね」

先程までの髪に絡まっていた手は今は直に脇腹に触れている。

それに触発されるようには忍足に顔を近づける。

の髪が忍足に当たり広がった。



「なんで跡部よりも先に好きだって言ってくれなかったのよ」



「なんでって、そんなん決まってるやん」




お前に振られるのが怖かってん





22-06.2006