あの日から四日後。 私はもう根負けして一度だけ忍足クンと会う事を決めた。 最初に待ち合わせをしたあのオープンカフェで。 「ホンマ悪かった。ゴメン」 「別にもういいよ」 「酔ってたとか言い訳やけど、俺が本気で好きなんはだけや」 「あのさ、私忍足クンに言って貰った言葉とか私が言った言葉とかに嘘があったとか思ってないよ」 はストローでグルグルとミルクティーを混ぜる。 「でもこれ以上謝られるとその事も嘘みたいに思えるから、もう謝らないで。連絡もしないで」 「・・・・」 「私達さ、付き合って二ヶ月だったじゃん。その間は本当に楽しかったしずっと続けばいいなぁ、って思ってた」 「・・・・」 「まだそう思える内に別れたいの」 忍足はそんなをただ見ているだけだったが僅かな沈黙の後テーブルに身を乗り出す。 「もう一回俺の事信じてくれへん?」 「本気?」 「本気やで」 信頼関係程築き難く壊れやすいものは無い。 「付き合った期間と同じ二ヶ月間お試しで、もう一回俺の事信じられるかみてくれへんか?」 「お試しって」 「だってすぐ「信じて」言うても無理やろ?俺かて即答されるんも複雑やし。せやからお試し」 「・・・・信じられないかもよ」 「信じて貰える様にするやん。てかもう俺に出来るんそれしか無いし」 「忍足クン」 「ホンマにの事めっちゃ好きやねん。あかんか?」 「そんな事言うのって、ズルイ・・・・」 「このまんま終わるぐらいやったらそらズルくもなるわ」 忍足はに向かって手を出す。 あの日あの時は返事も聞かずに繋がれた。 「もう絶対泣かせへんから。信じてほしい」 その言葉が嘘だとは思わないがきったまた同じ事になるとは思っていた。 けれども「わかった」と了承し手に触れる。 今度またこんな事になれば忍足は今みたいに言うだろう。 「もうしない」と。 そしてまたも「わかった」と繰り返すだろう。 「キヨに何て言おう・・・・」 「隠しとったらええやん」 「絶っ対無理だと思う」 その時はまたキヨに慰めて貰うのも悪くないかも。とは笑った。
22-07.2006 |