「ねー、南ー南ーのお願い聞いてくれる?」


は南の服の裾を引っ張りその後ろをトボトボ歩く。


「ねーってばー。無視しないでよー、悲しい」

「・・・・あのさ、何それ。罰ゲーム?」


廊下の端から端まで歩き終えた南が立ち止まって振り返ると、はほっぺたを膨らませて見上げている。

この構図に南はとても覚えがある。



「なんで今日そんなに千石っぽいの?」

「どぅわってー、南、千石の我侭はよく聞いてるじゃん」


聞かないとうるさいからだよ。


「だから、あんなタイプが好みなのかと」

「好みって」

「えへ、似てる?」


キモい。


「そんなに行きたかったら千石と行って来れば?喜んでついていくと思うけど」

「ヤだ。千石うっさいもん」

「そもそも、あとの一人は誰誘ったのさ」

「室町」



なにその人選。




「高校生三人じゃないと駄目なんだってー。ねー、お願い南くん。を映画館に連れてって」

「・・・・・一応、形式として聞くけど、映画は何?」

「ジョジョ」


千石、
頼むから
こんな時こそ役に立て








17-02.2007