部活の帰りに皆でファミレスへ。

最初は「嫌だ」と断ったが、ジローの「ね、も行こうよ」のおねだりに負けてしまい結局は付いて行く。

前を歩いている跡部と忍足を見てちょっと憂鬱な気分になった。

跡部は性格的に絶対ファミレスなんて行かないと思ったからジローに折れたのに。

忍足が半ば強引に跡部を引っ張って来た。

私は物凄く隠しているが跡部の彼女で、出来れば跡部を含めた大勢でこんな風に出かけたりはしたくない。

全力で細心の注意を払って周囲に感ずかれないように配慮してるのに、この彼氏様はお構いなし。

前もジローが「あれ、跡部シャンプー変えた?いい匂いー。どこの?」って軽く言ったらあの男おもいっきりこっちガン見の挙句



「アイツと同じだからアイツに聞け」



その場に居たのが鳳とジローでよかった。

「ホラ新商品だし、跡部の彼女と同じみたい」な返事で納得してくれけど、忍足だったらなんか突っ込まれてそう。


岳人とジローが窓際に座り、忍足は岳人の横。

鳳はテーブルを繋げて忍足の横で、あたしはジローの横。

跡部はその隣・・・・。

樺地と宍戸も続いて座って終了。

座ると行き成りジローが備え付けのボタンを押して店員を呼ぶ。

「お前、押すん早いやろ」

「えー、だって俺食べるの決まってるしー」

ジローがメニューを見ないのでテーブルに広げていると跡部が首を傾げて覗き込んで来た。

「・・・・跡部は何にするの?」

「次捲れ」

不機嫌を隠そうともしない声色。

機嫌が悪いなら今からでもいいから帰ってくれないかな、と内心思うが静々とページを捲る。

全部を捲り終わる前に店員が現れメニューを聞いて行く。

文句垂れつつもテンポよく注文は終了して行ったので慌てて私はメニューに目を落とすが時既に遅し、跡部が閉じて店員に渡していた。

「牛ロースステーキ膳とオムライス」

「跡部先輩、そんなに食べるんですか?」

「オムライスはコイツの分に決まってんだろ」

その言葉に一番驚いたのは私だろう。


「なっ!」

「あーん?間違った注文したかよ」


していない。


跡部と外で食べる時は、というか外食は絶対オムライス。




「・・・・・なんで跡部がの好物知っとんねん」

絶対気付いたであろう忍足が試すように質問する。


「知りたきゃコイツに聞けよ。なぁ





だから嫌だと言ったのに。






08-04.2007