は今ヘリに乗っている。 「止めた方がいいんじゃない・・・・?」 「「でも殿がー」」 これからホスト部(ハルヒ除く)で軽井沢に行くらしく、双子に拉致られて数時間。 (きっと鳳先輩だな・・・・) ハルヒの居場所を喋ったであろう鏡夜と視線が合った。 「なにかな?」 「いえ、何も」 (ハルヒ、可哀相・・・・) 「あ、ピアノ」 さわやかアルバイト選手権の最中、当然参加していないはピアノを見つけて椅子に腰掛ける。 怪我はもう完治し包帯も随分前に取れた。 リハビリも兼ねて毎日少しプレゼントされたヴァイオリンも弾いている。 「そう言えばピアノは随分弾いてないかも」 フタを開けて手入れされた鍵盤を押そうとした時その手を掴まれた。 「あー、ちょい待って」 「馨・・・」 「殿にここにピアノがあるってまだ知られたくないんだよね」 「本気で勝つ気?」 「トーゼンでしょ」 「仕方ないなぁ。じゃあまた今度でいいかな」 「その時は僕も誘ってよ。連弾しよ」 「考えとく。あ、光が呼んでる」 は庭から光が二人を呼んでいるのに気付きピアノのフタを下ろして外に出た。 「掃除に爽やかとかあるの・・・・?」 「無かったら付け足せばいいだけじゃん」 光は笑顔で掃除をしている。 馨も同意し二人の周りにはキラキラオーラが飛び回っていた。 「まぁ、綺麗にするのは良い事だからあたしも手伝うよ」 「あ、じゃあ光とはゴミ袋とちりとり取って来てよ。僕掃いてるから」 「わかった。行こ」 光が差し出す手をは一瞬躊躇したが馨に背中を押されてその手を掴んだ。 二人が馨の元へと戻るより僅かに早く派手な音が響いた。 「馨!ハルヒ!」 その事後の光景を見るや否や光はの手を離し駆け出す。 もワンテンポ遅れて三人に駆け寄った。 幸いハルヒに怪我は無く、馨もガラスで頬を切っただけ。 しかもこの事がありさわやかアルバイト選手権は常陸院兄弟が勝者となった。 「っ!」 「あ、ごめん!」 は美鈴に救急箱を借り馨の手当てをしていた。 そのすぐ傍には光が座っている。 「変な言い方だけど綺麗に切れてるから痕は残らないと思うよ」 「よかった」 「一応商売道具だしね、ホスト部の」 「あたしコレ返してくるね」 は救急箱を持っていない手で光の頭を撫でた。 「もう大丈夫だよ」 「・・・・うん」 「光?」 が出て行っても光は沈んでいた。 「馨が死んだら、俺生きていけない」 「そんな簡単には死なないよ」 「・・・・はあんな風に笑えるようになるまで何思ってたんだろう」 「それは、僕らには理解出来無い事だと思うよ」
04.09-2006 ⇒ |