放課後はホスト部があるから、と殆ど昼休みに勉強をする羽目になった。 鳳鏡夜と。 家庭教師の件で黙っていると「何か問題でも?」と逆に問われ「・・・・いいえ、是非お願いします」と計算外の台詞を発した。 しかも場所は図書室。 藤岡ハルヒを使って須王環に近づくの計画は見事に頓挫した。 「はぁ」 「どこか解らない所があるのか?」 溜息を吐いたに鏡夜は顔を寄せる。 「あ、いえ」 (解らないも何も、余裕なんだけどね) A組ギリギリの成績を取っていたのもその計画の為で、本来なら主席クラスの頭脳がある。 (暇だ) 一読しただけで理解出来る問題をワザとゆっくり解きたまにミスを作る。 (そもそもなんで私と接点の無い先輩が引き受けたんだろう) 「なんで俺が引き受けたのか知りたい、って顔だな」 その端整な顔から飛び出た発言には露骨にギョっとした。 「、入学以来常にA組最下位の全教科七十一点。これは余程賢くないと出来無いと思うんだが」 鏡夜は問題集を指で叩く。 「これも、本当は全部理解出来ているんだろ?」 「・・・・何が言いたいんですか先輩」 「環に近づいてどうするつもりなんだ?」 図星を差されは思わず立ち上がる。 そんなを見て鏡夜は眼鏡を抑えて笑った。 「やっぱりな。環が狙いだったのか」 「なっ!」 「どこの部の妨害かは知らないが、あいつは一筋縄ではいかないぞ」 「私を須王先輩に近づけないようにする気ですか?」 「さぁな」 「・・・・全部知ってるならもう結構です。今まで貴重なお時間ありがとうございました」 は早足で図書室を出て行った。 「、・・・・」 机に残されたプリントを鏡夜はパラパラと捲る。 一ページ目は最後の問題、二ページ目は最後から二つ目の問題、三ページ目は最後から三つ目の問題、とそれぞれ規則的に間違ってい る。 「少し調べてみるか」
21-10.2006 → |