と環の関係は、が一方的に環を知っているのであって環はを何も知らない。

自分を知って欲しいとも思わない。

けれど、は環を知りたかった。





「次の手、ねぇ」

そもそもこの一連の流れももう既に予定外。

「・・・・逆に利用してみようかしら」

しかしその案もすぐ消える。


鳳鏡夜と特別親しいワケではないが、彼自身が自分で「似ている」と言った。


だとしたら利用出来る可能性はとても低いだろう。

自分の性格は自分がよく知っている。




は一人中庭に座って本を読んでいた。

昼食はいつも一人で取る。

友人、と部類する人間はいるが知り合い程度の付き合い。

「やあ、今日は一人なんだね」

隣に環が軽やかに座る。

突然の訪問には内心ドキ、とするが顔に出ない様に心境を整え返事をした。

「・・・・おはようございます」

「おはよう。もう勉強は終わったのかい?」

「えぇ。鳳先輩のお陰で」

「だろうだろう。鏡夜の頭はとてもよいからな!」

「はい、とても丁寧に教えていただきました」

「鏡夜も随分気に入っていたようだしな」


思いがけない言葉に空気が止まる。



「は?」

くんの事を褒めていたよ。頭の賢い子だと」


「そ、うですか・・・・」

「そうとも!だからもっと自分に自信を持ちたまえ!」

の背中を環は景気良く叩いた。


「そうだ!是非今日ホスト部に来たまえ。俺ももう一度とゆっくり話しがしたかったんだ」


「え!」


A kitten is caught. 4








19-11.2006