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「・・・・部活はいいんですか?」 は図書館に一足早く居た鏡夜に立ったまま声をかけた。 鏡夜は捲っていた本を閉じ顔を上げる。 「君から声をかけるなんて珍しいな」 「須王先輩にバラしたければバラせばいいわ。もう、どうでもいいものそんな事」 その言葉を鏡夜は意外に思った。 「諦めるのか」 「諦めるも何も無いのよ」 がどんなに環を嫌いになろうとも環は知らない。 きっとを普通の子だと思っている。 「知らなくていい事なら知らないままでいい」 はそんな純粋に環が好きになっていた。 恋愛としてではなく。 環の前では少しでもよくありたい。と。 こんなドロドロした自分を知られたくない。 泣きそうだった。 自分の矛盾に。 こんな関係に。 「なんの蟠りも無く会ってみたかったなぁ」 「・・・・まだまだ甘いな」 鏡夜は立ち上がっての頭を撫でる。 「アイツは全部知ってるぞ。自分とお前の関係も」 顔を上げるより早くそのまま抱きしめられた。 「先に言っておくが俺が話したんじゃないからな」 は出来る限りの力を使って鏡夜の胸を押し体を離す。 「じゃあなんで須王先輩が私の事知ってるんですか」 「最初から、それも俺より早くから知っていたぞ。なんでも理事長から直接聞いたらしいが」 「理、事長、・・・・から」 「あぁ」
19-03.2007 → |