「なんか、最近銀さんイライラしてるんですよね、ほぼ毎日」 「こっちもがイライラしてるんですよね、見回りの後」 新八と山崎は顔を見合わせて溜息を吐いた。 「以前はさん見かけても普通に「よぉ真面目に仕事なんてごくろーなこって」とかだったのに」 「も仕事に対してはプライドがあるから絶対見回りの道変えたりサボったりしないんで」 「なにかあったんですかね、あの二人」 が女だと新八も気付いていない。 「さぁ、なにかあったとは思うけど」 銀時がその事実を知ったことを知らない山崎。 「いい迷惑ですよ、ホント」 「お互い大変だね」 日差しは柔らかいを越え厳しさにその度合いを進化させた今日この頃。 「・・・・暑い」 全身黒ずくめの真選組の制服はそれはもう拷問に近かった。 額からこれでもかと汗が出る。 隣にいる沖田は不思議と涼しげな顔。 「なんでそんなシレっとしてるんですか?」 「俺は虐めるのが好きなんで虐められるのは性に合わねぇんでさァ」 「あたしもドSになりたいなぁ、畜生」 「素質は充分あると思うぜィ」 「沖田さん、アイス食いましょうよダッツダッツ」 「しょーがねぇ。の奢りなら寄ってやってもいいぜ」 「ガリガリくんにします」 二人してガリガリしながら見回り中。 真正面から銀時が走って向かって来たがそのまま横をスルーする。 その後を追う数人の男共。 二人は気にせずそのまま前を歩くが銀時が戻って来ての肩を掴む。 「警察なら一般市民を助けるんじゃねぇのかコノヤロー」 そういい終わるとを反転させ男共に向かせた。 「さぁ行けドンドン行け。今日は許す。コイツらまとめてぶっ飛ばしちゃって!!!」 は動じる事無くガリガリしている。 「断る。天パを助けても世の為にならん」 「堂々と差別してんじゃねぇよ。ホラ、パフェご馳走してあげるから。ラブホも奢ってあげるから」 「沖田さんに掛け合ってみろよ、凄いプレイしてくれるから」 「旦那、すまねぇが俺はそっちの趣味は持ってねぇですぜ」 「俺だってあるかァァ!」 「嘘付け。歌舞伎町でパー子知らなきゃモグリだぞ」 「なにそれ。なんでそんな噂が流れてんの。つーか違うし!銀さんちゃんとノーマルだから安心して戦って!」 「大体ナニしたんだよ」 「変換おかしいからソレ。何もナニもしてねぇっつーの」 「あぁ、天パだから絡まれたのか。お前が悪いなソレは」 「お前ちょっとそのネタ引きずりすぎだろ。いい加減読み手に飽きられるぞ」 「さて今日も歌舞伎町は平和だったなぁ。そろそろ戻りますか沖田さん」 は棒を咥えたまま再び進行方向に身体を戻し歩き出す。 「あ、あの!」 その行く手を遮ったのは小さな子供。 「ん、なんでィ嬢ちゃん」 「おまわりさん、このおじちゃんあたしをたすけてくれたの!だからたすけてあげて!」 息を切らせて頭を下げる少女。 きっと銀時が助けた後追いかけて走ってここまで来たのだろう。 「・・・・ったく。さっさとそう言えよおっさん」 「誰がおっさんだァ!」 「沖田さん、多く倒した方がダッツ奢ってもらえるってのはどうですか」 「そいつは、悪くねェ」 二人は刃を出さずに刀を鞘ごと腰から抜く。 「そういう事なら俺も混ぜてもらおうか」 数分もすれば男は全員道端に伸びていた。 結果は全員二人ずつ。 少女は満面の笑みでお礼を言い手を振って去って行った。 「意外だな」 「なにがだ?」 「この状況が」 「惚れ直したってか?」 「天パからおっさんに格上げしてやるよ、万事屋」 「もっと素直に礼言ったってバチは当たらねぇぞ」 その言葉には鼻で笑う。 「見直したよ、ホント」 そして銀時の背中を思い切り叩いた。
09-07.2006 ⇒ |